国土交通省の有識者会議は2月28日、生活者が安心して既存住宅を購入できるようにするための新しい情報提供制度の案の最終取りまとめを行った。国が一定の要件を満たす既存住宅を提供する事業者団体を審査・登録する形で間接的にお墨付きを与える。要件を満たす住宅は、統一的な名称(商標)を付与できる。また、正式名称や商標とは別に、通称を設定する。会合では通称の案として「安心R住宅」という名称が提示された。今後、一般からの意見募集を経た上で、夏頃を目指して告示化し、実際に制度を始める予定だ。
新制度では住宅の性能要件として、耐震性があることと構造上の不具合・雨漏りがないことの2つを設定。制度自体は原則、情報提供の仕組みという位置づけで、前述の2つの性能要件以外は、情報開示を求める項目を設定するにとどめる方針だ。開示状況を含め、評価材料として提供するという考え。
耐震性の有無については、1981年6月1日以降に着工したもの、あるいは1981年5月31日以前に着工したもので、耐震診断などで耐震性が確認されたものを耐震性有りとする方針が示された。これに対し委員からは、1981年6月1日以降に着工したものをすべて適法としていいのかという疑問が投げかけられた。国交省では告示化に向け検討していくと回答した。
構造上の不具合・雨漏りがないことの定義として、対象物件が購入予定者が既存住宅売買瑕疵保険を付保できる状態にあることとする方針。最終的に保険を付けるかどうかは購入者に委ねる。
見た目の汚さなどについては、各団体が基準を策定して、それに基づいて団体が判断する。そのままでは基準を満たさない場合でも、基準を満たすためのリフォームプランを提示することで「リフォームプラン付き住宅」として登録することも想定している。
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