パナソニック(本社:大阪府門真市)は住宅用の蓄電池システム「パワーステーションS」を4月5日に発売することを発表した。
災害の際など停電時に炊飯器や電気ケトルも使用できる、同時に使える機器が多いなどの2.0kWの高出力を維持したまま、従来機の1/3にダウンサイジングを実現。省スペースのほか、壁掛けが可能になり、設置の自由度を高めた。あわせて省施工になるポイントを複数改良し、リフォーム需要にも対応する。
太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電システムを連携させた「創蓄ハイブリッド型」の同システムは、東日本大震災をきっかけに開発がスタートされたもの。長時間の停電や当たり前の設備が使えないなどの課題を解決するのが目的となっている。松下電器産業の蓄電池技術、松下電工の配電技術、三洋電機の太陽光発電技術と3社の強みが生かされた。今回の製品は4代目で、現在までに8000システムを販売している。
発表会では昨年4月の熊本地震における、熊本のある家族の事例が報告された。家族は、地域が停電する中、生まれたばかりの赤ちゃんがいたため家に残ることを選択。パワーステーションにより3日3晩太陽光の電気が使えたため、パンは入手できないながら備蓄していた米や水でご飯が炊けたという。その上、被災した近隣の方にお湯や電気のお裾分けができ協力できたという。そんな事例が紹介された熊本地区では、パワーステーションが倒れた報告は一台もないとのこと。
今回の製品では省施工にもこだわった。電線そのものを直接端子に差し込んで接続を完了できる(カシメ加工が不要になる)。従来品に比べ電線との接続作業が約半分の時間になるという。無線の活用で配線数自体もおよそ2/3になっているなど、機能統合による部材点数の削減も行った。接続ミスがあればリモコンですぐに確認できるといった目立たない進化も。これらの改良により、施工品質の均一化にもつながるという。
予定価格は169万円(パワコンが65万円、蓄電池ユニットが104万円・税抜)。原則としてそれぞれのユニットは同社製の太陽光発電モジュール、蓄電池にしか対応しない。販売目標は5000システム(2017年度)。
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