創立13期目、280社超の導入実績をほこる工務店経営支援のフォーセンス(東京都千代田区)。毎年ノウハウをブラッシュアップすると同時に、「売れるデザイン住宅」のパッケージを開発、活動の幅を広げ続けている。そのユニークな視点と実践をこの対談からも感じていただけるはずだ。
三浦 住宅産業は「パッケージ化」「トータルソリューション」に向かっています。資材メーカーも住宅商品の開発支援や構造・省エネ計算といった各種サポートと資材販売をパッケージングしていますが、今後も加速していくとみています。
逆に言えば、住宅FCも含め、エンドユーザーに心から「いいね」と言われる家づくりを支援できるのかのはどこか。そこが問われるようになります。
飯嶌 確かに、「他より断熱性能が0.1高い」とか「特許工法なので」といったアピールはエンドユーザーに響くのか。求める性能さえ確保できるなら、建材単体の数値や素材はそこまでこだわらないのでは。また、工務店さんの視点で見ると、コストとのバランスが大事でしょう。
資材メーカーと初めてコラボ
飯嶌 そうしたミスマッチを解決する方法は、ずっと頭のなかにありました。建材単体の優位性を細々と説明しなくても、工務店さんが採用を即決したくなるようなアイデアです。それを形にしようと、今回初めてある大手資材メーカーさんと手を組み、「商品化住宅」の開発をお手伝いしました。
三浦 建材メーカーさんからすると資材の拡販にもつながりますね。具体的にはどういった商品でしょうか。
飯嶌 「1000万円台で売れるZEH仕様」をコンセプトにした規格型住宅パッケージ。「この建材を1棟ぶん使うと、このくらいの性能の家が、このくらいのコストで建てられて、利益はいくらですよ」と具体的にイメージしてもらうツールです。
三浦 ベースとなるプラン、仕様、予定粗利率、売価まで固まっていれば、提案も早いですし、利益も計算できます。
飯嶌 あわせてエンドユーザー向けの専用サイトを製作して集客、そして契約にきちんとつながるようなサポートもしていく予定です。こちらは資材メーカーさんのルートも含めオープンに提供していきます。
新しい工務店支援の流れに!?
三浦 市場が高額層とそれ以外に二極化するなか、利益を確保することが一層大事になっています。とくに一般層向けの住宅では、規格化・商品化を行い、計画的に集客し、きちんと利益を確保しなければ、端的に言えば儲からない。このパッケージもそうですが、フォーセンスのノウハウはこうした「工務店経営の基本」を学ぶ教材になっているのではと思います。
飯嶌 経営まで含めたノウハウのパッケージ化はフォーセンスにしかできないサポートの1つだと自負しています。とくに注文住宅1本でやってきた工務店さんには、家づくりのベースを見直すいい機会になると思います。
三浦 資材メーカーと住宅ネットワークの協業のあり方としても興味深いです。資材メーカー同士が手を組むのはかなり難しいことですが、フォーセンスがパイプ役を担うことで、いままで組めなかった資材メーカーをはじめとするプレーヤーが集まって工務店さんの支援をする、商品パッケージをつくる。業界にとっても面白い流れが生まれる可能性を感じました。
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