「地場工務店との関係強化が最重要課題」
―住宅業界の今後についてどう見ているか
プレカット産業が多くを依拠している新設住宅需要は少子高齢化や空き家率の増加が急速に進行しており、今後一層厳しい状況になる。今年は80万戸前後、中期では65万戸前後まで漸減していくことも考慮する必要がある。今すべきことは、さらなる新設住宅需要減が予測される10年後に備え考え実行していくことだと考える。厳しく見積もった予測が外れてもそれはそれでプラスになる。
当社のプレカット事業において地場工務店との関係は何よりも重要だ。地場工務店の経営が決して容易でないことは十分理解しているが、経営者の高齢化や後継者難もあり淘汰は避けられないところだ。ただ、当社が取引している工務店の多くは成長している。取引先工務店が力をつけていけるよう、当社としてもできる限り協力をしていく。
非住宅木造建築については全社を挙げて強化していく。当社は長年、建築請負事業を行っており、木造住宅、保育所などの大型木造施設を合わせ年間200棟以上施工している。25年5月期の時点で建築完工250物件、うち非住宅25物件を目指す。20年から無柱大空間を可能にした非住宅・中大規模木造トラス構法(ATAハイブリッドトラス構法)のプレカット事業にも参入しており、非住宅建築分野での木造化提案を推進しているところだ。
また、2019年からログハウスプレカット事業を開始している。同様のプレカット工場がないことから当社の特徴の一つで、プレカットにとどまらず建築請負事業も展開している。プレカット事業を基盤としつつもプレカット事業の枠にとらわれることなく創意工夫で多様な収益源を創りながら、事業の拡大と成長を続ける企業集団を目指す。
構成・聞き手:向井千勝、新建ハウジングDIGITAL
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