環境省がこのほど公表した2022年度の「産業廃棄物の不法投棄等の状況」によると、新たに判明した不法投棄件数は134件で前年度より27件増加。このうち全体の約8割に当たる101件が建設系廃棄物だった。一方、不法投棄量は4.9万トンで2.7万トンの増加。投棄量についても約8割に当たる3.8万トンが建設系廃棄物だった。
建設業系廃棄物の内訳は、件数別では「がれき類」が最も多く49件。次いで「建設混合廃棄物」36件、「木くず」13件、「廃プラスチック類」2件、「汚泥」1件の順となっている。投棄量では「建設混合廃棄物」が3万3000トンで全体の7割を占め、次いで「がれき類」3426トン、「木くず」814トンなどが多かった。
不法投棄実行者の割合は、「排出事業者」が57件で最も多く、不適正処理実行者についても「排出事業者」が64件で最多となっている。
廃棄物の残存量は1013万トン
不法投棄廃棄物の残存件数は2855件で、このうち「建設系廃棄物」が2157件(75.6%)。残存量は1013万トンで、「建設系廃棄物」が825万トン(81.5%)を占めている。残存量の内訳は、「建設混合廃棄物」418万トン(28.8%)、「廃プラスチック類」144万トン(14.3%)、「木くず」124万トン(12.3%)、「がれき類」120万トン(11.9%)など。
建設業に関わる大規模事案では、▽無許可業者が解体工事から発生した産業廃棄物を自己が所有する土地に搬入し、不法投棄(兵庫県)▽産業廃棄物の仮置き場として2年間の使用契約をした土地に、契約期間終了後も産業廃棄物を放置(兵庫県)▽建設・解体事業者が大量の建築解体廃棄物を適正処理せずため込んでいたところ、事業者の代表が死亡。廃棄物がそのまま放置された(宮城県)―などの報告があった。
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